Peco’s Journal

愛称はぺこにっき。(@pecopeng)

#19 高校時代の恩師と飲んできた

「一緒に飲みに行きませんか?」

 

 

そうLINEを送ったのは、僕の就職が決まったその日の夜のことだった。

 

お互いに忙しかったせいか、予定の合う日が1ヶ月先だった。それでもその先生に会えるのが、飲みに行けるのが嬉しくて、この1ヶ月ずっと楽しみにしていた。

 

 

少しだけ自分の話をさせて欲しい。

 

僕は、4年間の高校生活を過ごした経験がある。

思い描いていた理想と目の当たりにした現実の差に悩み、苦しみ、心を病んだ。

いつしか僕は不登校になっていた。1年、2年経っても状況は変わらず、一度留年をした時に転校を決意した。転校した先は、自分が逃げ込むことはないと確信していた、通信制の高校だった。

 

絶望の中入ったその学校。そこで僕に運命的な出来事が起こり、また、僕は運命的な出会いをした。

 

入学して1ヶ月後、2週間の海外キャンプに参加した。そこでの経験を経て、それまでこの狭い国の中に留まっていた自分の価値観を良い意味で否定され、新しい自分に生まれ変わることができた。

 

キャンプから帰った2ヶ月後、ある一人の先生に出会った。彼は僕のことを真っ直ぐに見つめてくれ、僕に合った進むべき道を提示してくれた。今専門的に学んでいる分野も、彼のお陰でより好きになった分野だった。

 

どん底かと思われた僕の高校生活だったが、今では楽しい記憶の方が多いくらいだ。その出来事とその出会いのお陰で、とても良い高校生活だったと今では言うことができる。

 

 

 

その先生と、昨年の10月以来9ヶ月振りに顔を合わせ、お酒を飲みに行った。出会った当時は高校生だった僕も、すっかり成人していた。

 

その席で初めて、就職が決まったことを報告した。また、先日合格し、取得した資格のことも報告した。それ以外にも、昨年から今年にかけて4ヶ月行ってきた留学のこと、バイトのこと、頭の中にあったことを沢山話した。

 

先生はとても喜んでくれた。自分が教えてきた生徒の中で一番だ、とまで言ってくれた。僕がその先生から受け取ったものは数え切れないくらいだが、先生からしても自分が教えたことをここまで受け取り、自分のものにしてくれた生徒は初めてだ、とのことだった。

 

 

僕には、自分が行きたいと思ったところへ就職を決めることができたことで、この曲がりくねった学生生活を、そして今日まで生きてきたこの人生を真っ向から肯定することができた感覚があった。そして、人間として強くあるために、様々な力を育んできた。それが自分にとって、何よりも自信になると思った。

 

しかし、これは自分だけの話ではなかったことを今日知った。

 

先生は、自分の教え子が前を向き、自分の足で歩む姿を見ることが、何よりも教師冥利に尽きるのだと言ってくれた。自分が学生であった自分を肯定することは、生徒として先生を肯定することでもあったのだ。

 

 

僕が先生にできる恩返しなんてあるのだろうか、と思っていたが、本当に大切なことは目には見えないものだった。これからも、彼への恩返しのためにも、自分の道を真っ直ぐ歩み、自分らしさを求めて生きていきたいと思った。

 

いつかまた彼と会う機会はあるだろうし、その時までもっと頑張ろう。そう、強く感じた日だった。

 

 

最後に頼んだビールが、今日はやけに美味しかった。

 

 

 

ぺこ